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◇◇◇ 平成23年度 第8回「起業塾」の報告 ◇◇◇

共同研究イノベーションセンター
産学官連携コーディネーター 塚 田 光 芳

第1日目
(有)アプリ  田代哲 代表取締役
第2日目
群馬大学教授 伊藤
第3日目 東和銀行営業推進部
左:金井利勝 主任調査役
右:北爪功 主任調査役
第3日目 東和銀行審査部
小板橋俊雄 主任調査役
第4日目講評
左:東和銀行 金井利勝 主任調査役
中央:岩瀬雅明 副部長
右:(有)アプリ 田代哲 代表取締役
講義風景
1.はじめに
 群馬県の経済が発展する重要性に加え、我われ一人ひとりが、生活の豊かさや幸せを獲得する観点からも、地域のベンチャー企業によるイノベーション創出は大きな意義がある。このイノベーション創出に関与することは、多様性を認める社会における自己実現の選択肢になり、将来への夢を大きく膨らませることになる。“実践的”起業塾は、このような機会に行き合う、群馬大学共同研究イノベーションセンターの主要な産学連携事業である。
 起業塾に、自ら触発の場を求め、初めての仲間や新しい知見・経験と出会い自己啓発することは、ベンチャーに必要なアイディアの発見や創造力向上につながる。起業塾は、たとえ起業をしたいという明確な意識がなくても、自己の生活を活性化したい、創造力を発揮したい、と願って参加する受講生にとって、その流れを生み出すよいきっかけになって好評である。
 平成23年度の起業塾も、このような自己実現を願望する受講生と共にスタートした(受講登録者:16名、女性 5名、群馬大学の博士研究員3名、企業人 8名)。3つに分かれたグループは、どちらも事業の意義とか事業理念を、時間をかけて討議することから始まった。事業をしっかり創造していくためには、先ず、その土台となる「高い目標と大きな願望、そして成功意欲の強いアントレプレナシップ」を抱いていることが伝わってくる。

2.グループ討議
【第1日】
 Aグループ(A-G)は、「コミュイティカフェ」事業において、社会的弱者に多様な雇用の機会を提供する事業を検討した。B-Gは、顧客ニーズに密着し、豊さを実感できる新しい事業として、デコ弁(デコレーション弁当)を対象に事業の可能性を検討した。C-Gは、新たなビジネスモデルとして、人材資源を活用する形態のビジネスサポートの方向性を見いだしたようだが、未だ十分にサービス内容が絞れていない様子であった。
【第2日】
 A-Gは、商品ラインアップを行い、メニュー設定の理由付けを行った。B-Gは、既存のお弁当事業との差別化・独自性を追求した。C-Gは、留学生の地域企業への就職マッチングと、地域企業のグローバル化の支援事業を検討した。
【第3日】
 A-Gは、ソーシャルビジネスと位置付けたカフェを運営するに当たり、地域住民が豊かさを実感できる生活事業と、その事業が保有する社会的価値を検討した。社会ニーズに応える事業理念の追求は、一方で、収益確保の困難性をもたらす要因ともなる。社会性と商業性を両立させ、安定した収益を確保するメニューに落とし込むことができるかどうかが次回の課題となる。
 B-Gは、事業の数値化等に不明確な部分があるため、事業期毎に目標を簡素化した。第1期でデコ弁教室を運営し、キットの販売と並行して事業展開する。第1期で事業を軌道に乗せ、第2期以降は収益事業をインターネット販売事業にまで拡大し、お弁当文化の普及と食育等に関する付加価値のあるサービス事業への展開を図ることにした。
 C-Gは、留学生と企業のマッチングを行う支援事業に的を絞った。ビジネスを具体的な形で検討する段階にあり、事業計画の試案はほぼ完成した。あとは、ビジネスのあるべき姿を検討し、それを事業計画に反映させることができれば、ゴールに近づくことができると考えた。独自のサービスや新たなビジネスモデルを武器とした事業展開である。次回にかけての課題は、何を具体的な価値として提供するか、実体として売り上げをどう構築していくかにある。

3.事業計画の発表・講評
 起業塾の4日目の最終日には、事業の沿革、目的、計画遂行に関する各グループの発表を行った。発表内容に関する受講生同士の活発な質疑応答があり、その後、ベンチャー企業の経営者及び金融機関の各講師から講評を受けた。
 起業に関心があるが踏み切れない人は、群馬大学の起業塾を模擬体験し、それから起業に挑戦することも一つの方法である。いきなり起業することには大きなリスクを伴うが、起業塾でウォーミングアップすることを是非お勧めしたい。
 ここでは、各グループの事業計画のテーマ名を記して、第8回起業塾の報告とする。

Aグループ:「コミュニティカフェ」
Bグループ:「デコ弁X計画」
Cグループ:「中小企業向け留学生就職支援事業」
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